文系機知人の読書メモ+α

読んだ本の内容とか私見とかをまとめたり関係のないことを垂れ流すやつです。しばらくは人文系多めです

第8回

地図で読みとく 江戸・東京の「地形と経済」のしくみ

鈴木浩三 著

 江戸周辺はは古代から発展と衰退を繰り返していた。これを日本最大の都市に仕立て上げたのが徳川一門である。

 本著では徳川家がいかにして江戸を作り上げたのかを解説している。全体として事実と事実を並列させて解説を行うという感じで、どちらかというと入門書的な位置付けであるように感じられる。これによって比較的わかりにくいと思われる江戸時代の経済の仕組みの概論は理解しやすいとは思うが、私個人としてはもう少し筆者個人の意見を交えて解説してもらった方がいいのではないかと思ってしまった。

 

文豪たちの「?」な言葉

馬上駿兵 著

 本著では文豪の作品を取り上げて、一目見る限りでは「?」となる表現をピックアップして解説を加えている。このような「?」となる表現は、文豪たちの単なる見落としのように思われるが、実はそうではなく、型通りの日本語にとらわれる事なく、より作品の世界を的確に表現するべく敢えて違和感の残るように、味わい深くなるように、そのような表現を取った。作者たちの細々とした工夫に気づかせてくれる一冊である。