文系機知人の読書メモ+α

読んだ本の内容とか私見とかをまとめたり関係のないことを垂れ流すやつです。しばらくは人文系多めです

第9回

玄侑宗久 著

さすらいの仏教語 暮らしに息づく88話

 著者は芥川賞作家の僧侶である。本著は日本語としてすっかり定着している仏教由来の語を取り上げて、由来とともに著者の解釈を加えている。我々が使用している意味が実は本来の意味とは変化していたり…といったことも少なからずあるし、思わぬ歴史を持っていたりして興味深い。インドで発祥した仏教が日本に伝播されて、日本人にどのように受け入れられていったのかを垣間見れて面白いと思う。

 

渡辺克義 著

物語 ポーランドの歴史

東欧の「大国」の苦難と再生

 ポーランドという国は日本では存在が埋もれがちだが、東西の大国、ロシアとドイツに翻弄され、抵抗を続けてきた国である。その歴史は波乱に満ちたものであり、両国の圧政に抵抗を続けてきた。時には独立を勝ち取ったこともあるが、大部分はそうもいかなかったのである。本著は概論的にそのようなポーランドの歴史を記述しており、ポーランドのあまり知られていない豊かさが知ることができると思う。